翠(みどり)皮フ科・アレルギー科

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円形脱毛症について

◎円形脱毛症は自己免疫性疾患と呼ばれるものの一つです。
 円形脱毛症は、自分の毛が細菌やウイルスなどの異物と同じように認識されることによって毛が攻撃をされて抜けてしまう病気です。原因となるいくつかの遺伝子が特定されていますが、これだけが原因ではありません。

◎精神的ストレスとの関連は否定できません。
 円形脱毛症は、以前は精神的ストレスが原因であると考えられていました。前にも述べた通り、現在は自己免疫性疾患の一つとい考えが主流になっています。しかしなぜ何でもなかった状態が、自分の毛を攻撃するようになってしまうのかは詳しいことは判明しておりません。精神的ストレスが引き金になって円形脱毛症が起こされている可能性も考えられると思います。円形脱毛症に関わらず、精神的ストレスが、身体の物理的な変調を来し、それが誘因となって病気を起こしている可能性はたくさんあると考えています。

◎小さいものは自然に治癒することもありますが、治療をおすすめいたします。
 円形脱毛症は、病気の名前の通り、円形に毛が抜けてしまうことが多い病気です。いわゆる「10円ハゲ」です。このタイプは、放っておいても自然と良くなることが多いですが、再発を繰り返すことも多いです。
 円形脱毛症は、ひどいものになりますと頭の毛がまったく無くなってしまうこともあります。さらにひどくなれば、眉毛、まつげ、陰毛などすべての毛がなくなってしまうこともあり得ます。
 男性の加齢に伴う脱毛は、耳の上の側頭部や後頭部は残ることが多いです(男性の脱毛症に伴う自家植毛術は残るこの部分を利用すします)。この男性の加齢に伴う脱毛で残る部分から始まる円形脱毛症は、脱毛が広がり頭の毛がすべて抜けてしまうことが多く、早めに治療を行うことが重要です。
 風邪でも普通は放っておいても改善して何事もなかったようになる方がほとんどですが、早く直さないと長引いたりすることもあります。また中には重篤な症状になって命を落とす可能性もゼロではありません。円形脱毛症から命を落とすことはほとんどないですが、早期の治療をしないと、治療期間が長くなったりすることもあります。また毛髪の減少に伴う生活の質の低下も懸念されますので、治療は早めに行うことをお勧めします。

◎円形脱毛症と甲状腺疾患やアレルギーの病気との間に関連性がある場合があります。
 甲状腺の病気では、脱毛をきたすことがあります。甲状腺の病気を治療するだけでよくなってしまうこともあります。円形脱毛症の患者さんの約8%くらいに甲状腺機能異常が見られます。円形脱毛症の原因として、甲状腺に対する自己抗体があることもございます。甲状腺の自己抗体は、甲状腺の機能を異常に高めてしまったり、逆に抑え込んでしまったりすることがあります。それらの異常が円形脱毛症の原因になっていることもあります。甲状腺の自己抗体が検出されても甲状腺機能には異常がない人もいます。ただ自己抗体があるから円形脱毛症の原因となっていることも考えられます。そのような時には、甲状腺の治療をした方がよいと考えられることもあります。これは慢性蕁麻疹でも同様のことが言えます。またアトピー性皮膚炎の患者さんには円形脱毛症になりやすいといわれています。円形脱毛症の患者さんの約40%にご自身もしくは家族がアレルギーを持っていたりします。そのうちの約半数がアトピー性皮膚炎の患者さんです。つまり円形脱毛症の患者さんの約5人に1人はアトピー性皮膚炎があると言えます。抗アレルギー薬を内服すると円形脱毛症が改善することもあり、アレルギーの病気と円形脱毛症の間に何らかの関係があると考えている方もいます。他には約4%の患者さんに尋常性白斑を合併することがあります。円形脱毛症は爪の変形を起こすこともあります。

◎円形脱毛症の治療は患者さんに応じていろいろな方法があります。
 患者さんに応じて塗り薬や飲み薬などで治療を行っていきます。塗り薬は、ステロイドの外用がメインになりますが、生えかかっている毛を太くするのには、ミノキシジル(商品名リアップ)を使用するのが効果的です。内服は、いろいろ実施されていますが、かなりの確率で確実に生えてくるのはステロイドの内服です。しかし副作用の問題と内服を中止したときの再発の問題から最初から実施されるべき治療法ではありません。翠皮フ科・アレルギー科では、もしステロイドの内服が必要とするときもできる限り副作用について配慮しつつ検討しています。
 他にはスクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)という物質をつかってわざとかぶれを起こさせて免疫異常を変化させることによって治療をする方法もあります。(保険外治療になります。翠皮フ科・アレルギー科ではこの治療法は行っておりませんが、板橋皮フ科クリニックでは、自費診療で行うことができます。)。
 いろいろな治療法があり、各患者さんに応じて実施していくことが大切だと考えています。免疫の異常によって起こされてしまう病気なので、体調管理もとても大切になってきます。体調を整えるという意味においては漢方薬はかなり貢献できる分野だと考えています。
 またどんな治療法でも治療開始から2週間は症状は進むと言われています。治療の効果に一喜一憂することなく、コツコツと治療を行っていくことが重要です。
 ぜひ一度ご相談ください。

◎悩んでいるのはお一人ではありません。患者会があります。
 円形脱毛症でお悩みの方々が集っていろいろと交流し、悩みを打ち明けあったり、正しい知識を習得していくことで新しい解決方法も見出せるかもしれません。円形脱毛症の患者さんの団体は、日本円形脱毛症コミュニケーション円形脱毛症を考える会があります。どちらも毛髪研究や臨床のエキスパートの医師たちがサポートしています。
 円形脱毛症の治療の一つとして、義髪を着用するという考えもあります。患者さんの中には抵抗を感じる方もおられるかもしれません。ただ人によっては見た目を気にして生きていくことより、義髪をつけていた方が、心が健やかになれることも多くあると思います。いくつか義髪メーカーがありますが、アプラン(東京義髪整形株式会社)は順天堂医院や順天堂浦安病院内にもサロンがあります。それなりに信用できるメーカーだと思います。

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