翠(みどり)皮フ科・アレルギー科

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お知らせ 薬や病気の説明 自費診療

酒さ(赤ら顔)について

◎酒さは顔が赤くなったり、にきびのようにぶつぶつができてしまう病気です。
 酒さは鼻や頬、前額部を中心とした顔の血管が拡張して赤くなる症状から始まります。症状が進むとにきびのような症状が見られ、膿疱などもみられてきて重症化することもあります。

◎原因はいくつか考えられます。
 酒さは、さまざまな要因が考えられています。喫煙、アルコール、脂っぽいものやチョコレートなどの甘いものの摂取、カフェイン、香辛料、便秘などが原因と考えられています。
 これらが当てはまる方は、まずはこれらの原因の除去をしていくことがとても大切になってきます。しかしストレスでも悪化することが知られています。過度に生活習慣を制限することは、ストレスを増やすことになりますので、バランスよく考えていかなければなりません。
 また副腎皮質ホルモンの不適切な使用によっても起こされる場合があります。副腎皮質ホルモンによって起こされた酒さそのものを改善させるために使用した免疫調整剤の外用によっても起こされてしまうことがまれですが報告されています。まだ毛穴にニキビダニという目に見えないダニが住み着いて症状を起こしていることもあります。
 血管拡張がある方は、ベースに高血圧がある場合があります。また高血圧に対する薬(降圧剤)のなかには、血管を広げる作用で血圧を下げるものもあり、そういうお薬では赤ら顔の副作用が見られることがあります。とくにカルシウムチャネルを阻害するタイプに多く見られます。逆に他のタイプの降圧剤では赤ら顔を軽快するタイプもあります。状況に応じて使い分けが重要です。

◎治療にはかなりの時間がかかりますが、良くなることが多いのであきらめないでください。
 酒さは、とても経過の長い病気です。鼻のにきびのような膿疱が何回もくりかえされると鼻瘤といわれるだんご鼻の状態になります。鼻瘤になってしまうと、手術的な治療も必要になってしまうこともあります。酒さは改善していても長い経過のなかで、良くなったり悪くなったりを繰り返してしまうこともたびたび見られます。
 しかし軽度から中等度の酒さであれば、きちんと根気強く治療を行えばほとんどの場合はよくなって次第に症状が出なくなっていくと考えております。あきらめることなく治療を行っていくことをお勧めいたします。

◎まずは塗り薬ですが、漢方薬も有効だと考えます。
 軽症の場合は外用薬でコントロールしながら徐々に症状が出なくできるようにしていくことが可能です。塗り薬は弱い副腎皮質ホルモンや硫黄が入った薬をつかったりすることもあります。ニキビダニが原因となっているときにはクロタミトンという薬の外用によって良くなる場合が多いです。現状ではステロイドをほんの少し使う治療を実施することでコントロール良好な患者さんが多いです。
 西洋医学の治療では、ミノサイクリンやドキシサイクリインという抗生物質の内服をすることでコントロールをすることが多いです。欧米では、これにメトロニダゾールという抗生物質の外用剤をつかって治療を行っていることが多いです。抗生物質の内服は、効果がある人も多いとは思いますが、ミノサイクリンは、皮膚の色素沈着やめまい、また間質性肺炎や肝機能障害を起こす可能性が他の薬剤よりも若干高くあります。ドキシサイクリンは、光線過敏症が副作用として比較的多く見られますので気をつけないといけません。抗生物質の長期にわたる内服が絶対に悪いとは私は考えていませんが、できることなら他の治療法があればそちらをお勧めしたいと考えております。
 そこで漢方薬を使いながら、全身の体調を整えながら治療を行っていくことをお勧めいたします。前述した生活習慣も整えていきながらバランス良く治療を行って行くのが良いと考えています。この病気に関しては、体調を考えながらいろいろな漢方を積極的に使用して治療を行っています。

◎単純に毛細血管の拡張だけならレーザー治療が有効です。
 酒さによるものではなくて、単純に毛細血管が拡張症している場合には、Vbeamというレーザーがとても有効です。健康保険で2回までは治療ができるようになりました。翠皮フ科・アレルギー科では、申し訳ありませんが、Vbeamは導入しておりません。導入施設を検索サイトなどでお探しいただけると幸いです。必要があればVbeam導入施設に紹介状を書きます。
 自費診療ではありますが、STARLUX MaxGというフラッシュランプ治療で赤ら顔の治療を実施することに致しました。効果に関しては、Vbeamと比較しても遜色はないと考えています。価格に関しては、皆様のご負担にならないように考えておりますが、赤字にはできないのでそこはご理解をいただきたいと考えております。Vbeamはとても素晴らしいレーザー機器だと思います。しかし購入時の価格や、その後の消耗品などのメンテナンス費用を考えると翠皮フ科・アレルギー科のような小さい診療所では、毎年かなりの赤字を抱えることになり購入は厳しい状況でした。たくさんの赤ら顔の患者さんが来られるのに、自分で最後まで治療できないもどかしさもありました。保険診療ではありませんが、フラッシュランプ治療で赤ら顔を保険診療程度のご負担で実施できればそれでやっていける可能性を考え、導入することにしました。Vbeamですと、赤い病変にしか効果は出せませんが、フラッシュランプ治療ですとシミや皮膚の若返り(rejuvenation)にも使用できることを考慮し導入をしております。
 現在日本では混合診療は認められておりません。酒さのぶつぶつがきちんとコントロールできるまでは保険診療で対応して、赤ら顔だけが残ってしまい、保険診療では対応できないときには自費診療に切り替えていくシステムで対応します。
 赤ら顔などでお困りの方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。

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