ステロイドについて (翠皮フ科・アレルギー科:葛飾区亀有/アリオ亀有対面)
翠(みどり)皮フ科・アレルギー科

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ステロイドについて

◎ステロイドは生命維持にとても大切な役割をもっています。
 ステロイドとは、シクロペンタヒドロフェナントレンを基本骨格とした物質の総称のことです。副腎皮質ホルモンや性ホルモンなど生命維持や生殖に必要な働きのものがたくさんございます。もしステロイドが体内に存在しなかったら、私たちは生きていくことができません。

◎副腎皮質ステロイドの飲み薬と塗り薬の副作用が混同されてしまっているので整理が必要です。
 私たち皮膚科医が塗り薬で使うステロイドは副腎皮質ホルモンです。たくさん種類がございますし、また飲み薬でも使用することもあります。副作用についていろいろ言われていますが、塗り薬と飲み薬の副作用を混同されている方が多いので、整理したいと思います。

◎塗り薬のステロイドの副作用はそれほど重度ではありません。
 塗り薬の副作用で一番注意しなければならないのは、不適切な使用によって皮膚が薄くなってしまうことです。またステロイドは炎症を抑えるだけでなく、皮膚の細菌などに対する抵抗力を抑えてしまうので、とびひやニキビ、ヘルペスなどの感染症にかかりやすくなってしまうことです。ただこれらの副作用は、定期的な受診をしていただくことにより十分に防ぐことができると考えています。落ち着いている患者さんならば月に1回くらいの受診で問題ないと思います。アトピー性皮膚炎の患者さんは、慢性炎症によって皮膚の溝がはっきり見えてゴワゴワになり、逆に厚くなっていることがありますのでステロイドを塗ることによって適度な皮膚にしてあげることが重要です。

◎ステロイドを塗っても皮膚は黒くなるのは改善している証拠です。
 ステロイドを塗ると皮膚が黒くなると思っている方はいらっしゃいませんか?脱ステロイドを考えておられる方の一番の気になる部分かもしれませんね。かゆみがあって、赤く炎症があったところがステロイドを塗って良くなっていくと、炎症はおさまり色素沈着になります。色素沈着はステロイドが引き起こしたものではなく、炎症によってメラニン色素がメラニン細胞によってたくさん作られることによるものです。ステロイドを塗って炎症が治まったので、赤くなっていたのが色素沈着だけになったと考えていただければよいと思います。

◎ステロイドの内服の副作用は大きいが、お薬があるからこそ病気がコントロールできている人もたくさんいます。
 飲み薬のステロイドでは、量が多く長期間内服をしていると、血圧が高くなったり、糖尿病になりやすくなったり、骨がもろくなったり、全身の感染症にかかりやすくなったりすることがあります。これらの副作用は塗り薬では通常の使い方をしていればまず起こることはありません。塗り薬のステロイドは、あくまでも皮膚に対して影響を及ぼすように作られており、適切な使い方をしていれば全身に影響することはないです。他の臓器に対してはほとんど影響を及ぼさずに薬の効果が期待できるのが塗り薬の利点でもあります。
 飲み薬のステロイドが悪い薬かと言えば、決してそういうわけではなく、内服があるからこそ病気がコントロールできるものもあります。尋常性天疱瘡という水ぶくれがたくさんできてしまう薬は、死亡率がかなり高かったですが飲み薬ができたおかげで死亡率が格段にさがりました。今はもっと治療も進歩しほとんど亡くなる方もいなくなりましたが、それでも飲み薬のステロイドは塗り薬のステロイドとともに尋常性天疱瘡の治療の中心になっております。関節リウマチなどの自己免疫性疾患と呼ばれる病気の方々も飲み薬のステロイドがあるおかげで寿命がかなり長くなりました。副作用があること否定することはできませんが、もし飲まなかったら病気のコントロールができない人もたくさんいるわけで、一概にステロイドを完全否定することはできないと思います。

 薬は使い方を誤れば毒にもなりますし、毒も使い方次第では薬にもなります。

◎ステロイドの塗りはそんなに怖いものでもありません。
 塗り薬のステロイドは、適切に使用することによって副作用は未然に防ぐことがかなりできます。長期間にわたって塗る場合はそのためには頻回でなくても定期的な受診をおすすめいたします。
 ステロイドを塗っているとだんだん効かなくなってくるということもまれにありますが、そんなに多くはありません。また効かなくなっているということは、副作用も出にくい状況ですので強いお薬を選択しても問題ないと考えます。塗り方や回数を工夫することによって強いお薬を選択する必要がないと考えられることも多くあります。

翠皮フ科・アレルギー科ではやはり生理的にどうしてもいやだという方に対しては、原因の徹底的な除去と生活習慣の徹底的な改善で治療を行うこともあります。アトピー性皮膚炎でどうしてもステロイドを使用したくないという方で実施すべきことを示します。アトピー性皮膚炎だけでなく、酒さ(赤ら顔)などの方でステロイドを使用したくない方は基本的に同じ考えが必要だと考えてください。

 ステロイドを使用しない時の治療は対症療法がうまくできませんので、原因療法と生活療法になります。

1.乳製品(牛乳・バター・チーズなどが入っている食品)や卵製品を完全除去する。
 原因除去が重要ですので、卵製品、乳製品はすべて除去してください。給食の場合は、弁当に変更してください。給食での完全除去は不可能と考えています。少しでも卵や牛乳の入っている製品は避けることが必要です。他のご家族が家で摂取していると、これらの食品のホコリがありますので、ご家庭ではこれらの食品の完全除去をしてください。卵製品は、鶏の卵だけではなく、魚卵なども避けてください。

2.動物性たんぱく質は、肉は摂取しない。赤身魚より白身魚を摂取する。大豆アレルギーがなければ大豆によるタンパク質摂取が望ましい。さっぱりとした和食のみの生活とする。
 これも原因除去の一環です。スナック菓子などを摂取したり、アルコールを取ることも厳禁です。喫煙も絶対にしてはいけません。チョコレートも厳禁です。とにかく素食が一番です。精進料理を思い浮かべていただけるとわかりやすいと思います。

3.あくの強い野菜やトマト、イカ・タコ・エビも摂取しない。お米はうるち米を摂取し、もち米も摂取しない。
 タケノコ、里芋、山芋、山菜などのあくの強い野菜はかゆみを増すので食べないでください。水煮などあくを抜いてあっても同様です。トマトはかゆみの成分の元が多く含まれているので摂取しないでください。アレルギーが比較的多い、イカ・タコ・エビもなしとしてください。もち米も摂取しないで、普通のうるち米を摂取してください。おせんべいや赤飯、おこわは厳禁です。山菜おこわは絶対に避けてください。

4.刺激物は摂取しない
 辛いものは摂取しないでください。またカフェインも人によっては悪化の原因となります。酒さの方はこれらはかなり大きな影響を与えますので、注意してください。

5.母乳を与えているときには、お母さんの食事を厳しく制限します。
 母乳中には、お母さんの摂取した食べ物がすべて移行していると考えてください。上記のことをお母さんも考えながら食事をしてください。

6.体を洗うときは、垢すりを使わずに手だけで洗うようにする。
 お肌は擦れば擦るほど老化が進みます。タオルなどを用いずに、手だけでさっと洗うのがベストです。体の洗い方に詳しく書いてあります。参考にしてください。

7.ボディソープやシャンプーを使わずに、固形石鹸を使用して体を洗う。液体石鹸でも石鹸素地だけのものを使用する。
 ボディソープの界面活性剤や香料でアトピー性皮膚炎が悪化する方がいます。これらの使用は厳禁です。安いただの固形石鹸でタオルを使わずに手で洗うだけでも十分に汚れは落ちます。液体石鹸でも、石鹸素地のものだけも販売されています。

8.お風呂に入らず必ずシャワーにする。
 お風呂で温まるとかゆみが増します。必ずシャワーにしてください。シャワーも強めにしないで、穏やかに流して下さい。

9.洗濯物は、合成洗剤ではなく、昔ながらの石鹸洗剤を使う。柔軟剤の使用は絶対に厳禁。
 ボディソープと同じく、界面活性剤や香料の影響が大きい場合があります。いろいろ洗剤がありますので、お肌にあった洗剤をみつけてあげることが大切です。実生活の中でもなかなか気付きにくい盲点になりがちですが、とても大切です。柔軟剤も香料が強いものは悪化させる原因になります。洗剤はシャボン玉石けんの洗濯用石けんやミヨシ石鹸の無添加せっけんの洗濯用がお勧めです。
 原因となりうる柔軟剤は使用しないことが重要です。

10.家の掃除は必ず2回する。
 ハウスダストが原因となることもあるので、家の掃除は最低2回はしてください。1日1回ではステロイドを使用しない場合は不十分と考えます。

11.寝不足にならないように体調管理をする。
 睡眠はアレルギーの病気ではとても大切です。睡眠不足はアトピー性皮膚炎を悪化させます。22:00から26:00までの間に就寝をして、最低6時間、最長8時間で生活をしてください。睡眠を改善するだけでも症状は改善できることもあります。

12.以上のことをご本人や親がストレスを感じずに実施する。
 ストレスによるひっかきはアトピー性皮膚炎をかなり悪化させる原因となります。以上のことをストレスを感じながら実施してもむしろ悪化させてしまうことになりかねません。これらをストレスと思わずに実施できることがとても重要です。

 私としては、ステロイドの塗り薬を使用しないということは生活の質の低下を自らが選択をしていると考えていますのでできることならステロイドの塗り薬の使用をおすすめしたいと考えています。これらを実施することはとても厳しく難しいことだと考えています。原因の徹底的な除去と生活習慣の徹底的な改善で治療を実施することの一つに、ストレスを感じないことが絶対的な条件です。前述したとおり仕事でも学校でも嫌なストレスを感じている(心地よいストレスは別です)状態では、まずステロイドの塗り薬をなしにした改善は期待できません。お仕事などで忙しい方は、睡眠や掃除、食事のことなどこれだけ厳しくできないと思います。原因の徹底的な除去や生活習慣の徹底的な改善をするだけでも、一般的な方ならばかなりのストレスを感じると私は思います。皮膚科医としてはステロイドの塗り薬なしの治療はおすすめはしていません。ふさわしいお薬を使用しながらバランスよく生活して、幸せな生活を送ることがよいではないかと私は考えています。

 翠皮フ科・アレルギー科ではこれらを完全に実施できる場合はステロイドなしでの治療も検討しますが、それが不可能な場合はステロイドを使用する方を検討します。ご理解をよろしくお願いいたします。

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