お肌全体を白くするには、高濃度ビタミンC点滴療法は効果はあると考えますが、シミに関しては他の治療をお勧めいたします。ベースが白くなることによってシミが余計に目立つ可能性も否定できません。お肌を白くするには回数もかかり、費用も決して安いとはいえません。それだけを目的で考えている場合、高濃度ビタミンC点滴療法が適切かといわれると正直微妙です。
見た感じでよいと考えられるのは、お肌の均一性が保たれていることだと思います。白くなくてもシミなどがなくて、ムラがなければよいと考えています。「美白」が美しいのではなく、ムラがないことの方が重要であると考えます。
翠皮フ科・アレルギー科ではがん治療としての高濃度ビタミンC点滴療法を行っておりませんのでご理解をお願いします。
翠皮フ科・アレルギー科では、アトピー性皮膚炎の治療で積極的には高濃度ビタミンC点滴療法は推奨していません。きちんとした治療もしないで、高濃度ビタミンC点滴療法でアトピー性皮膚炎を治療してもあまり意味がありません。そのためだけに高濃度ビタミンC点滴療法を実施したいとお考えの方は、他の施設に行かれることをお勧めいたします。きちんとした一般的な治療がなれるべきと考えております。◎かつては否定された高濃度ビタミン点滴療法ですが、再注目されています。
高濃度ビタミンC点滴療法は、ノーベル賞を2回受賞したポーリング博士※によって推奨された抗がん治療法です。その後メイヨークリニックという有名な施設に一度は否定されてしまったのですが、ただ彼らの試験方法が、ポーリング博士が行ったものとは違っていたことがわかり、2005年以降再び注目を集めることになりました。抗がん治療としての効果をしめした論文もございます。Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues.(Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Sep 20;102(38):13604-9. Epub 2005 Sep 12. PMID:
16157892)
ビタミンCには、抗酸化作用があることが知られていますが、かなり大量のビタミンCは強力な酸化剤になります。酸化物質を中和・除去するためにわれわれはカタラーゼという物質を正常細胞の中に持っていますが、がん細胞はカタラーゼの活性が異常に低くなっています。高濃度ビタミンC点滴療法によって、大量のビタミンCが体内に入ると、細胞の中にもビタミンCが取り込まれます。高濃度のビタミンCではがん細胞の中では酸化作用を及ぼし、がん細胞を殺す効果もあります。すべてのがんに有効というわけでもないので、従来の治療と併用が望ましいとされています。