翠皮フ科・アレルギー科では、ルビーレーザー治療を1照射税込700円(診察料込み)の料金で提供してます。
範囲が広い場合ははレーザー治療はすべての診療が終わった後に実施しています。実施する場所を実際に診察してから予約を検討させていただきます。ただし範囲が狭く、ごく短時間で実施できる場合に限り診療時間中でも行います。落ち着いて照射をするためにもご理解をお願いいたします。
◎レーザーにはいろいろな種類があります
レーザーとは、英語でLaserと書きます。これは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(輻射の誘導放出による光増幅)の頭字語をとったものです。とてもエネルギーの強い光の一つなのですが、さまざまな種類があります。皮膚科で主に使われているのは、ダイ(色素)レーザー(波長585や595nm)、ルビーレーザー(波長694nm)、アレキサンドライトレーザー(波長755nm)、ダイオード(半導体)レーザー(波長800nmなど)、Nd:YAGレーザー(波長532、1064nm)、CO2(炭酸ガス)レーザー(波長10600nm)です。波長がことなれば治療対象も異なりますが、同じレーザーの照射時間によっても治療対象が異なります。ダイレーザーは、赤血球の中のヘモグロビンに反応して血管腫や赤ら顔に効果があります。現在ではVbeamというレーザーが血管腫で保険適応が認められて、以前よりはよい治療を行うことができるようになりました。保健適応ではありませんが、フラッシュランプ治療も効果的です。ルビーレーザーやアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザーは、メラニン色素に反応していろいろな効果を出します。ルビーレーザーは現在ではシミや目のまわりの青いあざ(太田母斑)に対して効果があります。ダイオードレーザーは脱毛レーザーとして使用されています。脱毛の効果はいまのところ一番よいと思います。アレキサンドライトレーザーは、シミにも脱毛にも使用されています。ルビーレーザーとダイオードレーザーの中間といったところです。これら3つの違いは波長だけでなく照射時間の長さも異なるので治療対象が異なります。Nd:YAGレーザーも、シミを取るレーザーですが、532nmの波長を用いると赤い色素にも反応します。一般的に波長が長いほど深いところまで効果があることが知られていますが、1064nmではメラニンの反応はルビーレーザーの方が良いので、どちらかというとマイルドな効果と言えます。
以前自衛隊で勤務していたときに、夜の空いている時間を利用して、レーザーを使って血管肉腫という皮膚の悪性腫瘍を消滅させていく研究を行っていたことがあります。マウスにがん細胞を植え付けて、その10日後にマウスの尻尾の血管に光に反応する色素を注射してその次の日に630nmの連続波長のレーザーを照射して効果を見るという実験でした。すべてのがん細胞を殺すことはできませんでしたが(数匹は完全に消滅しました)、かなりの効果はあったと思っています(Anti-tumor effect of PDT using Photofrin in a mouse angiosarcoma model. Arch Dermatol Res. 2008 Apr;300(4):161-6. Epub 2007 Dec 14. PMID:
18080130)。この治療は光線力学療法(PDT:photodynamic therapy)といい、日本では子宮頚癌や肺癌で保険適応の治療として認められています。
翠皮フ科・アレルギー科に設置してあるレーザーはルビーレーザーです。照射出力や時間の設定がシミに特化したもので効果が高いと考えています。脱毛用途については、前述あるいは自費診療のページでついて書きましたとおりダイオードレーザーで実施することをお勧めしています。